基礎講座、講演会

2011年講演会

第13回 講演会

■日時:2011年11月29日

■場所:主婦会館プラザエフ クラルテ(地下2階)

  • 『食品の加熱加工・調理におけるシミュレーション技術』

    国立大学法人 東京海洋大学 食品生産科学科 教授 酒井 昇 氏

    食品の加熱加工・調理においては、加熱によるタンパク質の変性やデンプンの糊化といった主要な構成成分の変化が生じ、それによって食品自体の収縮や膨潤、水や油の移動など、様々な現象が誘発され、極めて複雑な現象である。さらに、食品生産の現場では殺菌条件もクリアする必要があるため、最適な加熱・調理条件を設定することは容易ではない。これらの現象を把握し、予測するためのシミュレーション技術は、最適加熱加工・調理の支援技術として期待されている。本講演では、マイクロ波加熱、ジュール加熱、過熱水蒸気加熱等の種々の加熱法について、その加熱原理と加熱にともなう成分変化のシミュレーション技術について紹介する。

  • 『生食用食肉の規格基準の考え方とその試験法』

    国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部 第一室長 五十君 靜信 氏

    本年10月1日施行で、牛生食肉の規格基準が厚生労働省から示された。食品の微生物基準としては、国際的に要求されている手順に従って策定された国内で初めての規格基準である。すなわち、当該食品における病原微生物のリスク評価を行い、その結果を受けて、科学的な根拠を基に病原微生物の制御レベルを設定した上で、それを達成するリスクマネージメント措置として策定されている。この規格基準がどのように決められたかを紹介し、牛生食肉における微生物制御の考え方について理解していただく予定である。また、その評価法として採用された腸内細菌科菌群試験法について、試験法採用の経緯と試験法の実際について解説する。

第12回 講演会

■日時:2011年11月24日

■場所:西宮フレンテホール(フレンテ西宮5階)

  • 『食品の期限表示の設定と官能評価の基礎知識』

    (財)日本食品分析センター 東京本部 JAS審査課 課長 齋藤 紀子

    官能評価は、品質管理や商品開発の場面で広く用いられています。個人差や言葉の曖昧さという問題点がありますが、人の感覚は測定機器より感度が優れている場合があり、また、人は総合評価を得意としているため機器以上の力を発揮することがあります。本講演では、試験目的に適したパネリストの選定方法や評価手法等、官能評価の基礎的な内容について解説するとともに、賞味期限設定のための官能評価についても実施手順や試験事例をご紹介致します。

  • 『栄養表示に関する国際的状況について』

    (財)日本食品分析センター 東京本部 お客様サービス部 副部長 関口 礼司

    コーデックス委員会の第34回総会で、栄養表示を行う際の表示義務とするべきものとして、新たに、飽和脂肪酸、ナトリウム、糖類の追加が採択されました。また、欧州議会は、新しい食品表示の規則を承認しました。日本においては、栄養表示の義務化に向けた検討が行われ、「栄養成分表示検討会報告書」が公表されました。さらに今後は、「食品表示一元化検討会」で食品表示の一元化に向けた検討が開始されます。本講演では、これらの栄養表示に関する国内外の動向についてご紹介致します。

第11回 講演会

■日時:2011年11月22日

■場所:アクロス福岡 国際会議場(4F)

  • 『飼料の有害物質混入防止ガイドラインの概要と対策』

    (財)日本食品分析センター 東京本部 顧問(前(独)肥飼料検査所 本部 飼料鑑定第一課 課長)農学博士 石黒 瑛一

    本ガイドラインは、平成20年3月10日付けで制定され、既に3年経過したところです。ガイドラインは、我々の食生活に必要な畜産物の生産に使用される家畜用飼料に有害物質が混入することを未然に防止するため、飼料の輸入業者、製造業者などの関連業者が遵守すべき管理の指針を示したものです。我が国は、飼料原料の大半を海外からの輸入に依存しており、このため、海外における穀物や飼料原料の生産から輸入、保管、製造のフィードチェーンの各段階で対策が必要となります。
    (独)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)における有害物質のモニタリング結果もかなりのデータ数が集積されてきました。本講演では、FAMICの有害物質のモニタリング結果を解説するとともに、どのような項目が問題となるかをご説明し、各企業でどのような項目について優先的に管理すべきかをご紹介したいと考えています。

  • 『放射線・放射能の基礎と食品の放射能汚染』

    (財)日本食品分析センター 多摩研究所 衛生化学部 部長 農学博士 野村 孝一

    東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故は多大な放射能汚染をもたらしました。ほうれん草等の葉物野菜に始まり、牛乳、水道水、魚介類、茶葉、きのこなど次々と暫定規制値を超える食品等が見つかっています。これに伴い、農畜水産の生産現場から始まって加工食品の製造・流通、また末端の消費者の間で非常に深刻な不安・心配・混乱が生じています。極めて多くの方々が放射能に翻弄されています。3.11以降、まさに世界観が一変してしまいました。このような状況下で求められているのが、放射線・放射能に関する正しい知識と、正しい情報です。
    本講演では、放射線・放射能の基礎とともに食品の暫定規制値の考え方及び食品汚染の測定について解説します。

第10回 講演会

■日時:2011年09月27日

■場所:仙台国際センター 2F大会議室 「萩」

  • 『食中毒事例から学ぶ衛生管理』

    (財)日本食品分析センター 微生物試験課 課長補佐  前川 幸子

    食中毒事故を防止するためには、まず製造者が食中毒に対する知識を身につけることが重要です。過去に発生した食中毒事例を分析しながら「つけない・増やさない・やっつける」の食中毒防止三原則や、原因特徴、製造現場で留意するポイントを分かりやすく解説いたします。

  • 『食品表示の基礎知識』

    (財)日本食品分析センター JAS審査課 課長  齋藤 紀子

    消費者庁の設置に伴い、JAS法、食品衛生法及び健康増進法に基づく食品表示制度は消費者庁に一元化されましたが、表示基準は広範かつ複雑で思わぬミスを招きかねません。本講演では、JAS法を中心に表示事項の基本ルールと留意点について解説するとともに、表示に関する事故事例についてご紹介いたします。

第9回 講演会

■日時:2011年08月23日

■場所:岡山国際交流センター(2階国際会議場)

  • 『食品等のかび毒について』

    (財)日本食品分析センター 多摩研究所 応用試験課 課長 小木曽 基樹

    食品において長年B1のみで規制されてきたアフラトキシンが、本年10月1日から総アフラトキシン(アフラトキシンB1、B2、G1及びG2の合量)規制に変わります。また、昨年はとうもろこし由来の飼料原料がデオキシニバレノールに高濃度汚染されていることが大きな問題となりました。本講演ではこのように様々な形で注目を集めるかび毒について概説するとともに、近年進められている国内外でのリスク評価についても述べたいと思います。

  • 『放射線・放射能の基礎と食品汚染の測定』

    (財)日本食品分析センター 多摩研究所 衛生化学部 部長 野村 孝一

    東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故は多大な放射能汚染をもたらし、ほうれん草などの葉物野菜に始まり、牛乳、水道水、魚介類で暫定規制値を超える食品が見つかっています。本講演では放射能の単位、半減期等の基礎から規制値の考え方、測定法の実際などをご紹介いたします。

第8回 講演会

■日時:2011年07月28日

■場所:東京大学 弥生講堂 一条ホール

  • 『食品の国際基準策定機関(コーデックス)の動きと日本へのインパクト』

    農林水産省 消費・安全局 消費・安全政策課 課長補佐(国際食品規格班担当) 近藤 喜清 氏

    食品の安全に関する各国の衛生措置は、食品の国際基準策定機関であるコーデックス委員会が策定した、食品に含まれる添加物、汚染物質(重金属等)、農薬、動物用医薬品、毒素(マイコトキシン等)、有害微生物等に関する基準、指針及び勧告に基づいてとることが、国際貿易機関(WTO)の衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)により求められています。 今講演では、コーデックス委員会の仕組みや主な議論の動向を紹介し、食品業界に与え得るインパクトについて考察します。

  • 『食品中の放射性物質の動向 -私たちはどう対応すべきか-』

    秋田大学名誉教授 滝澤 行雄 氏

    今回の原発事故における放射性物質の排出は、これから長期にわたる食品や環境に影響を及ぼし続けることが想定される。チェルノブイリ原発事故では各国とも輸入食品を介した体内被曝によるリスク評価とともにリスク管理の対応が要請された。ここに、チェルノブイリ事故の調査情報等をもとに、食品中の考慮すべき放射性核種、各種被曝経路に関する誘導介入レベル、食料汚染時に国際貿易の規制に用いられる食料放射能濃度基準値などを鳥瞰し、今後の食品関連業界への対策に供したい。

第7回 講演会

■日時:2011年07月08日

■場所:アクロス福岡 国際会議場(4F)

  • 『トランス脂肪酸ををめぐる最近の動き』

    (財)日本食品分析センター 名古屋支所 生化学分析課 課長 後藤 浩文

    トランス脂肪酸は硬化油を製造する際の水素添加処理や食用油脂の脱臭工程における加熱処理などにより生成する脂肪酸として知られており、トランス脂肪酸が及ぼす健康被害の懸念やそれに伴う諸外国での各種規制の動きに伴い、わが国でも話題となっています。本講演では、トランス脂肪酸について概説し、その分析法と問題点、規制や表示義務化に係わる国内外での最近の動きを中心にご紹介いたします。

  • 『食品の腐敗・変敗について ~変色・膨張からウイルス汚染まで~』

    (財)日本食品分析センター 大阪支所 微生物部 副部長 吉田 信一郎

    製造環境の改善や流通時の温度管理など微生物制御に係る装置やソフトの進歩には目を見張るものがあります。しかしながら、微生物を原因とした腐敗・変敗事故は減少することなく毎年多発しているのが現状です。今回は、微生物の基礎、腐敗・変敗と微生物の関係、さらには汚染源の解明について、事例を交えて解説いたします。また、近年患者数が最も多いノロウイルスを中心に、ウイルスとは何か、細菌とウイルスによる食中毒発生では何が異なるかをお話いたします。

第6回 講演会

■日時:2011年06月10日

■場所:パルテノン多摩 小ホール

  • 『食品工場の衛生 ~衛生管理のイロハから~』

    (財)日本食品分析センター 東京本部 テクニカルサービス部 研修事業課 和泉 知尚

    昨今の食中毒関連報道にかかわらず、食品工場の現場では、衛生管理の徹底による安全性の確保に取り組んでおられます。ここでは、より確実な管理に向け、いわゆる「管理運営基準のガイドライン」に沿って取組むべき衛生管理の具体例、レベル向上のためのポイントをお話します。また、猛暑に向けての一歩踏み込んだ注意点についても紹介致します。

  • 『食品中の栄養成分について ~ビタミン類を中心に基礎と最近の話題~』

    (財)日本食品分析センター 多摩研究所 栄養科学部 ビタミン分析一課 小河原 雅子

    食品栄養表示の義務化が話題となる中、食品に関連する業界では、栄養成分についての基礎的な知識は欠かすことができません。ビタミンを中心とする各栄養素の基本的な事項、日本人の食事摂取基準、日本食品標準成分表2010、栄養表示基準などについて解説致します。また、ビタミンの働きについて最近の話題も紹介致します。

第5回 講演会

■日時:2011年06月08日

■場所:大阪産業創造館  イベントホール4階

  • 『食中毒事例に学ぶ衛生管理』

    (財)日本食品分析センター 大阪支所 微生物試験課 課長補佐 太田 順司

    食中毒はいまだ毎年のように起こっていますが、実は10年前と今とでは食中毒の内容(傾向)が少し変ってきています。食中毒の傾向が変化している中、私たちの食中毒予防の対策は今のままでよいのでしょうか?今回は、実際の食中毒事例を交えながら微生物の基礎を学び、食品の衛生管理について再確認したいと思います。

  • 『トランス脂肪酸の現状と今後の動向』

    (財)日本食品分析センター 多摩研究所 副所長 栄養科学部部長 五十嵐 友二

    トランス脂肪酸を巡っては、昨年度末に消費者庁による表示指針並びに食品安全委員会によるリスク評価結果の公表などがあり、栄養表示義務化の議論とも相まって重要な段階を迎えています。本講演ではトランス脂肪酸の食品中含量、摂取量、表示、分析に関する我が国の現状を整理し、今後予想される展開について考察してみたいと思います。

第4回 講演会

■日時:2011年03月11日

■場所:アクロス福岡 国際会議場(4F)

  • 『食品等の異臭原因物質の検索 ~異臭検査の現場から~』

    (財)日本食品分析センター 彩都研究所 分析化学課 課長 伊佐川 聡

    食品等から何らかの原因で異臭が発生し、臭気の混入や発生の原因究明を行う必要が生じることがあります。その際、異臭原因となっている物質が推定できれば、お客様が異臭発生の原因究明を行う上で重要な情報の一つを得ることになります。当センターではGC/MSを用いた異臭原因物質の推定試験について、これまで数多くの検査実績がございます。 本講演では、私どもで日々行っているこれら試験についての進め方、分析手法をご説明し、またいくつかの試験事例についてもご紹介いたします。

  • 『食品微生物検査の現状とこれから ~衛生指標菌を考える~』

    (財)日本食品分析センター 彩都研究所 (前 大阪府立公衆衛生研究所 感染症部) 微生物部 学術顧問(農学博士) 浅尾 努

    食中毒菌と挙動を共にし、しかも試験法が簡便・迅速であることなどが衛生指標菌としての理想的な条件です。このような条件に近い菌(群)として、大腸菌群、大腸菌、糞便系大腸菌群、腸内細菌科菌群などが考案されてきました。日本の食品微生物検査には生菌数や大腸菌群が多用(乱用?)されていますが、その検査目的が食品の安全性確保のためか、あるいは衛生状態を管理するためかは明確であるとは言えません。 本講演では、衛生指標菌の基礎知識を解説するとともに、その有益性と限界について今一度考えて頂くための材料を提供いたします。

第3回 講演会

■日時:2011年03月10日

■場所:タワーホール船堀

  • 『液体食品の様々なニーズに応える「新液体容器PID」~醤油の鮮度と簡便性を重視した『鮮度の一滴』~』

    株式会社 悠心 二瀬 克規 氏

    (1)液体容器PIDの紹介
    ・液体容器の変遷
    ・PIDの主な機能
    ・注ぎ口部における醤油の蒸発の観察
    (2) PIDによる液体商品の品質保持効果
    ・醤油の酸化防止効果
    ・その他の品質保持効果
    (3) 消費期間と商品価値(品質価値の減損)

  • 『GFSIとグローバルマーケットについて』

    イオン株式会社 品質管理部 コーディネーター/海外品質管理マネージャー 山崎 次郎 氏

    (1)TCGFについて
    ・GFSIの母体であるTCGFについて
    (2)GFSIについて
    ・GFSIの使命・組織について
    ・GFSIのについて
    (3)グローバルマーケットについて
    ・テクニカルワーキンググループについて
    ・グローバルマーケットについてについて
    ・グローバルマーケットの内容と情報公開方法について
    (4)GFSI最新情報について
    ・2011年世界食品安全会議(ロンドン)について
    ・イオンの会員制サイト・メールマガジン「食の安全・安心の広場」での情報開示について

第2回 講演会

■日時:2011年02月14日

■場所:大阪産業創造館(イベントホール4階)

  • 『動物用医薬品に関する話題と残留分析法~クロマトグラフ定量法の妥当性評価と精度管理~』

    (財)日本食品分析センター 彩都研究所 微量試験部 副部長 藤田 和弘

  • 『食品添加物の過去,現在そして未来』

    (財)日本食品分析センター 大阪支所 学術顧問 伊藤 誉志男

第1回 講演会

■日時:2011年02月09日

■場所:パルテノン多摩 小ホール

  • 『器具・容器包装の法規制~概要と今後の改正について~』

    (財)日本食品分析センター 多摩研究所 衛生化学部 包材試験課 和田 岳成

  • 『食品の腐敗・変敗と汚染源の解明~一日でも早く工場を再開するために~』

    (財)日本食品分析センター 大阪支所 微生物部 微生物試験課 吉田 信一郎