基礎講座、講演会
2023年講演会
2023年度 第1回 一般財団法人日本食品分析センター講演会/食品品質保持技術研究会共催
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『抗菌・抗ウイルス加工製品の評価方法について』
(一財)日本食品分析センター 彩都研究所 微生物研究課 課長 太田 知克
近年,抗菌に対する関心が高まり,様々な抗菌加工製品が普及しています。さらに新型コロナウ
イルス感染症の流行から,抗ウイルス加工製品の需要も高まっています。本講演では日本産業規格
(JIS)や国際規格(ISO)に規定された抗菌・抗ウイルス加工製品の評価試験方法について,詳細・留
意点をご説明するとともに,業界団体の認証制度についてご紹介いたします。 -
『微生物試験における外部精度管理の活用』
(一財)日本食品分析センター 大阪支所 微生物部 副部長 前川 幸子
微生物試験は食品の安全性を確認するための手段として重要であり,昨今はその検査結果の信頼
性の確保が求められています。本講演では,微生物試験における精度管理について基本的事項の説
明の他,外部精度管理にフォーカスして具体的な事例紹介とその活用についてご紹介いたします。
2022年度 総会・2023年度 第1回講演会(主催)
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『2022年度総会』
議題
1 2022年度事業報告、収支決算報告承認の件
2 2023年度事業計画、収支予算案承認の件
3 役員改選に関する件
4 本会の運営に関する件 -
『伝統が育んだ発酵食品 ~その製造技術に込められた巧みな微生物制御~』
石川県公立大学法人 石川県立大学
生物資源環境学部 食品科学科 食品製造系 食品微生物学研究室
准教授 小栁 喬 氏我が国には、清酒をはじめとする伝統発酵飲料、醤油・味噌といった発酵調味料に加え、なれずし・いずし、塩辛、魚醤油等の様々な水産発酵食品が存在する。これらの発酵食品の製造においては、微生物発酵を効率よく導きつつ、同時に腐敗を防ぎ長期保存・長期熟成を可能とする技術が巧みに織り込まれている。本講演では、伝統発酵食品中における微生物の存在様式を紹介しつつ、その製造技術の発展とともに培われた微生物制御の詳細について紹介したい。
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『腸内環境から考える新しい健康科学とヘルスケア産業への展開』
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
ヘルス・メディカル連携研究センター&ワクチン・アジュバント研究センター
センター長 國澤 純 氏
「腸内環境」や「腸活」といった言葉が広く知られているように、健康維持・増進における「腸」の重要性が注目されています。腸は食べ物を消化・吸収する臓器であり、健康という観点からは、古来より「医食同源」という言葉があります。さらに腸には、体内の半分以上もの免疫細胞が存在する免疫臓器でもあり、免疫に関連する様々な身体機能や健康状態に影響を与えています。これら食や免疫に加え、最近では腸内フローラとしても知られている腸内細菌も加えた「腸内環境」がこれからの健康科学を考えていくうえで重要になってきます。
本講演では、日本各地にお住まいの方を対象に行っている「食事などの生活習慣に関する調査データ」「糞便や血液など様々な生体サンプルの分析データ」「基礎研究によるメカニズム解明」を連動させた研究、さらには一般の方や多くの企業に参加いただき進めている社会実装や創薬、食品・ヘルスケア・個別化栄養アドバイスなどの開発について、最新の情報も含めて紹介したいと思います。
2022年度 第2回 一般財団法人日本食品分析センター講演会/食品品質保持技術研究会共催
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『①サンプル調製の重要性~正しい分析試験結果を得るために~ 』
(一財)日本食品分析センター 大阪支所 ビタミン分析課 菊地 大希
当財団では,複数の部門が分担・協働することで分析試験を実施しています。お預かりしたサンプルを均質化してそれぞれの部門に偏りなく分ける必要がある一方,汚染や変質がおきないようにする必要もあります。本講演ではサンプルを調製する際の注意すべきポイントをご紹介します。
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『②食物繊維分析方法の紹介 ~酵素-HPLC法2(AOAC2011.25法)を中心に~』
(一財)日本食品分析センター 彩都研究所 機能成分分析課 主任 伊藤 英伸
令和4年8月30日,食品表示基準について(消食表第139号)の改正にて,食物繊維の分析方法に酵素HPLC法2(AOAC2011.25法)が追加されました。本講演では,サンプルに応じて適切な分析方法を選択いただけるよう,酵素-HPLC法2を中心に,国内で主に使用される各分析方法の特徴を解説致します。
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『③研究開発部の取り組み』
(一財)日本食品分析センター 彩都研究所 研究開発部 部長 藤田 和弘
研究開発部はJFRLにおいて唯一受託試験を担当しない試験部門として彩都研究所開設時に新設されました。当初の業務内容は,培養細胞を用いた機能性評価試験の開発でしたが,現在は幅広い分野の分析法開発等の研究に取り組み,その成果を内部への技術移管や学術論文等の形で示しております。本講演では,これまでの取り組みの一端をご紹介いたします。