基礎講座、講演会

2019年講演会

第13回 講演会(主催)

■日時:2019年12月11日

■場所:主婦会館プラザエフ クラルテ(地下2階)

  • 『食品予測微生物学とその応用』

    国立大学法人 東京農工大学 農学部
    教授 藤川 浩 氏

    食品及びその原材料は多種類の微生物に汚染されている。汚染微生物の一部は私たちの健康に有害で、例としてサルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸管出血性病原大腸菌などの食中毒細菌が挙げられる。病原微生物でなくともタンパク質、アミノ酸の分解性が高い腐敗細菌が食品中で増殖すると腐敗の原因となる。また、食品を汚染するカビも肉眼で識別できるほど成長すると、異物として扱われ、一方でカビ毒を産生する菌もある。このような有害微生物が食品中でどの程度増殖するかを喫食前に予測できれば、販売者および消費者は事前に対応することが可能である。一方、多くの加工食品は製造工程中に加熱による殺菌が行われるが、この加熱工程においても汚染微生物菌数がどの程度減少するかを定量的に予測することはその食品の安全性を評価する上で非常に重要である。このような食品の微生物学的安全性を確保する目的で進められてきた研究分野が食品予測微生物学である。ここでは、その内容と応用例について分かりやすく紹介したい。

  • 『食品ロス削減は食品安全を軽視することか?』

    株式会社 office 3.11
    代表取締役 井出 留美 氏

    世界の食料生産量の多くが捨てられている。食品ロスは、働き方改革でもある。捨てられるくらいなら最初から作らなければ、働く人はずっとラクだったはずだ。食資源やエネルギーも無駄にはならなかった。食料廃棄で発生するメタンガスは二酸化炭素の20〜25倍もの温室効果ガスを発生させる。SDGsは、小売と消費レベルでの食料廃棄を2030年までに半減する目標を掲げている。日本では10月1日に食品ロス削減推進法が施行された。どんな職業の人でも一人ひとり消費者であることに変わりはない。事業者として、消費者として、何をすべきかを考える。

第12回 講演会(共催)

■日時:2019年11月29日

■場所:岡山国際交流センター

  • 『食品用器具・容器包装におけるポジティブリスト制度の導入』

    (一 財)日本食品分析センター 多摩研究所 包材試験 課 課長 中西 徹

    昨年の食品衛生法改正により,食品用器具・容器包装にポジティブリスト制度が導入されること
    が決定し,新制度の施行まで1 年を切る状況となりました。制度の詳 細については現在も検討会で
    議論が進められているところですが,この8 月には制度の導入に伴う規格の設定についてのパブリ
    ックコメントも行われ,施行に向け着実に状況は変化しています。本講演では,これまでの検討事
    項を振り返りながら制度の基本的な枠組みについてご紹介いたします。

  • 『HACCPの制度化をひかえて~自主的な衛生管理のススメ~』

    (一 財)日本食品分析センター 東京本部 教育 ・ 研修部 部長 植田 浩之

    食品衛生法の改正を受けて,いよいよ HACCP に沿った衛生管理が義務付けられます。一部の食品事業者からは不安の声が聞かれますが,制度によりどのような基準が示されたとしてもやり方が大きく変わることはありません。これまでの実績を自信に,きちんとした現場できちんとした食品の取り扱いをする。また,そのようにできていることを記録でも証明できる。そうした自主的な管理が制度化によってよりすっきりと整理されるはずです。本講演では基準を満たすために今からできる「備え」についてお話しします。

第11回 講演会(共催)

■日時:2019年11月20日

■場所:仙台国際センター 2 F 会議室 「萩 」

  • 『異物検査の現場から ~分析手法と事例の紹介~』

    一般財団法人日本食品分析センター
    多摩研究所 応用試験課 主任 酒井 耶須子氏

    異物混入は 食品だけではなく化粧品や医薬品といった様々な分野 で起こり得る, 見過ごすこと
    のできない事象です。 また, 異物検査は異物混入が起こった際に原因究明・再発防止につなげる
    べく,異物が何であるかを調べる試験です。本講演では正確な結果を導き出すために,弊財団で
    行っている異物検査の基本的な手法やテクニックについて簡易定性試験・事例も含めご紹介いた
    します。

  • 『異臭分析について』

    一般財団法人日本食品分析センター
    彩都研究所 分析化学課 課長 飯塚 誠一郎氏

    ヒトの鼻は,物質によっては測定機器で検出が難しい極微量の存在を感じとります。そのため,
    異臭分析では,においの質(物質の種類)に応じて様々な手法を駆使し,原因物質の特定を行い
    ます。本講演では,においを感じる仕組み,試験手法,サンプルの取り扱いについて概説するとと
    もに,具体的事例についてもご紹介いたします。

第10回(2019年第2回)基礎講座(主催)

■日時:2019年11月18日

■場所:代々木八幡コミュニティーセンター

  • 『油脂の劣化の基礎知識』

    一般財団法人日本食品分析センター
    栄養科学部 油脂分析課 尾本茉林氏

    ・油脂の概要,基礎知識

    ・油脂の劣化における指標の紹介

    ・試験方法概略

  • 『食品表示の基礎知識』

    一般財団法人日本食品分析センター
    微生物部 技術支援課 杉井美穂氏

    ・食品表示基準に基づく表示事項について

    ・表示についての注意点

第10回(2019年第1回)基礎講座(主催)

■日時:2019年11月14日

■場所:代々木八幡コミュニティーセンター

  • 『微生物及び微生物制御の基礎知識』

    一般財団法人日本食品分析センター
    微生物部 微生物試験課 主任 井上泰広氏

    ・微生物に関する基礎知識

    ・代表的菌種の性状

    ・規格基準の紹介

    ・事故,違反事例

    ・試験方法概略

  • 『器具容器包装の基礎知識』

    一般財団法人日本食品分析センター
    衛生化学部 包材試験課 主任 風間貴充氏

    ・器具容器包装の概要

    ・規格基準 ・事故,違反事例

    ・新しく始まるポジティブリストの制度について

第9回 講演会(共催)

■日時:2019年09月02日

■場所:大阪産業創造館 4階イベントホール

  • 『油脂の劣化のメカニズム~酸価・過酸化物価の実際~』

    (一財)日本食品分析センター 名古屋支所 油脂分析課 川田 晶子

    油脂の劣化は製品の品質低下の原因となり,健康に被害を及ぼすことがあります。油脂の特性や劣化のメカニズムを知ることは,食品等の品質保持の手助けとなります。本講演では,油脂の劣化を促進させる要因,劣化の指標となる酸価・過酸化物価などの試験項目,保存した食品の分析事例などについてご紹介いたします。

  • 『機能性関与成分の分析について』

    (一財)日本食品分析センター 多摩研究所 分析化学課 課長 鈴木 芽

    機能性表示制度が施行されて4年が経過する間,ガイドラインは4回改正され,分析に関しての要求事項も少しずつ変わってきています。本講演では,エキス等が追加となった第3次ガイドライン改正内容をふまえて,最近の機能性関与成分(微生物以外)の分析について定性分析例やバリデーションなどを含めご紹介いたします。

第8回 講演会(共催)

■日時:2019年07月12日

■場所:アクロス福岡 国際会議場(4F)

  • 『機能性表示食品制度における微生物の定量・定性試験』

    (一財)日本食品分析センター 多摩研究所 微生物研究課 主任 林 健二

    乳酸菌やビフィズス菌などの微生物を機能性関与成分とした機能性表示食品の開発が活発に進められています。機能性表示食品の届出に当たっては微生物の定量試験及び定性試験の結果や手順などの情報の提出が必要になります。

    本講演では,消費者庁から公開されている「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」や「機能性表示食品に関する質疑応答集」の解説を交えながら,微生物の定量試験及び定性試験の概要についてご紹介いたします。

  • 『機能性表示食品制度への取り組みについて』

    (一財)日本食品分析センター 多摩研究所 分析化学課 課長 鈴木 芽

    機能性表示制度が施行されて4年が経過し,その間ガイドラインは4回改正され,分析に関しての要求事項も少しずつ変わってきています。本講演では,ガイドライン改正をふまえて昨今の機能性関与成分(微生物以外)の定量分析例や定性分析例についてご紹介いたします。

第7回 講演会(主催)

■日時:2019年07月11日

■場所:主婦会館プラザエフ クラルテ(地下2階)

  • 『プラスチック包装と環境を巡る諸問題』

    一般社団法人日本食品包装協会 理事長
    食品品質保持技術研究会 副会長
    石谷 孝佑 氏

    古くは、包材への化石資源の利用抑制、紙等の再生可能資源の代替、プラスチックリサイクル問題、焼却による炭酸ガス排出抑制(地球温暖化問題)から始まり、廃プラスチックの輸出禁止、プラスチックの海洋汚染防止、プラスチックストローの禁止、レジ袋の無料配布禁止等、枚挙にいとまがありません。

    最近、地球温暖化に関する研究や観測が進み、炭酸ガスが主な原因ではないという趣旨の本が続々と出版されています。地球温暖化に最も大きな影響を与えるのは太陽の活動であり、私達が食べている食糧は、太陽光を利用し、炭酸ガスと水を原料として作られており、もう少し炭酸ガス濃度を高めた方が食糧生産の効率が上がることや、地球の温暖化によって緑地が増えているという報告もあります。人類が生きていく上で、これから来る寒冷化は大変な災害をもたらすものと考えられますが、もうすぐ約一万年と言われる間氷期が終わるとの予測もあり、心配されています。今私たちはどうしたら良いのか、様々な情報を元に皆さんと「プラスチック問題」を一緒に考えたいと思います。

  • 『錯綜するハラル制度の理解と誤解の解消 -食品周辺分野(包装容器、化学品、輸送)および国際的不整合性を視野に入れて-』

    マクロ産業動態研究会 並河 良一 氏

    急成長するイスラム諸国の巨大な食品市場は魅力的である。しかしハラル食品の事業化のためには、食品本体だけでなく、包装容器・化学品・輸送さらには工場管理のハラルを確保する必要がある。また。ハラル食品の市場開発のためには、各イスラム諸国のハラル事情に合わせて、個別に対応する必要がある。日本企業がこれらに対応するのは極めて難しく、現実にいくつかのトラブルを経験している。しかし、ハラルの本質、つまり、ハラル制度は法規制ではないこと、ハラル制度は非成文が原則であることなどを理解すれば、対応は可能である。

第6回 講演会(共催)

■日時:2019年07月11日

■場所:仙台国際センター 2F 会議室 「萩」[宮城県仙台市]

  • 『食品等のかび毒について』

    (一財)日本食品分析センター 多摩研究所 微量試験課 課長 小杉 正樹

    私たちが生活する環境中には農薬やダイオキシンなど,さまざまな有害微量物質が存在してい ます。かび毒もそのうちの一つであり,300種類程度が知られています。アフラトキシンをはじめと して毒性の高い物質も多く,世界各国で規制値を定めることによりリスク管理がなされています。
    本講演では代表的なかび毒を概説するとともに,かび毒の危険性やその対策,さらにはかび毒の分析に至るまで幅広くご紹介いたします。

  • 『食品用器具・容器包装におけるポジティブリスト制度の導入と今後の動向』

    (一財)日本食品分析センター 多摩研究所 包材試験課 課長 中西 徹

    昨年 6 月に食品衛生法が改正され,1 年が経過しようとしています。改正に伴い,食品用の器具・容器包装においてポジティブリスト制度が導入されることになりましたが,制度の詳細については現在も検討会で議論が進められているところです。
    本講演では,改正のポイント,現行の制度との違い,検討会での検討事項等についてご紹介いたします。

第5回 講演会(共催)

■日時:2019年05月10日

■場所:大阪産業創造館 4階イベントホール

  • 『食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度導入と今後の動向』

    (一財)日本食品分析センター 多摩研究所 包材試験課 課長 中西 徹

    食品の製造,流通,調理,貯蔵などに欠かすことのできない器具・容器包装の安全性確保をより 一層強化するため,あらたにポジティブリスト制度が導入されることになりました。また,導入に 伴い検討会が繰り返し開催され,制度の詳細について検討が進められています。容器包装等の製造 事業者はもちろん,それらを使用する食品事業者にも影響のある内容となっています。そこで,現 行の制度との違い,改正のポイント,今後注目すべき事項等についてご紹介します。

  • 『HACCPの制度化をひかえて~自主的な衛生管理のススメ~』

    (一財)日本食品分析センター 東京本部 教育・研修部 部長 植田 浩之

    食品衛生法の改正を受けて,いよいよHACCPに沿った衛生管理が義務付けられます。 一部の食品事業者からは不安の声が聞かれますが,制度によりどのような基準が示されたとしても, やり方が大きく変わることはありません。これまでの実績を自信に,きちんとした現場できちんと した食品の取り扱いをする。また,そのようにできていることを記録でも証明できる。そうした自 主的な管理が制度化によってよりすっきりと整理されるはずです。本講演では,基準を満たすため に今からできる「備え」についてお話しします。

総会・第4回 講演会(主催)

■日時:2019年03月19日

■場所:主婦会館プラザエフ クラルテ(地下2階)

  • 『食品の高圧処理』

    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品加工流通研究領域食品品質評価制御ユニット ユニット長 山本和貴 氏

    世界初の高圧加工食品が1990年に登場して以来、食品高圧加工は、殺菌(ジュース、肉製品、ペースト等)、開脱殻(牡蠣、ロブスター等)等の用途で、世界に拡がっています。低温高圧処理(600MPa, 5~10°C、3~5分間)は、化学反応が抑制された状態での物理変化による非熱的技術として、高品質加工食品の製造に用いられ、 また、中温中高圧処理(100MPa, 50~70°C、数時間~数日間)は、画期的な抽出及び酵素反応によるエキス製造等として利用されています。安全で高品質な食品製造の視点から、食品高圧加工の概要を解説致します。

  • 『農作物におけるゲノム編集技術とその取り扱い』

    国立大学法人 筑波大学 生命環境系、つくば機能植物イノベーション研究センター センター長 教授 江面 浩 氏

    精密かつ効率的に生物の遺伝子機能を調節できるゲノム編集技術が登場し、様々なライフサイエンス研究開発分野での利用が加速しています。食品の素材となる農作物の品種改良でも今後利用が拡大すると予想され、その社会実装も始まろうとし ています。本講演では、演者が取り組んでいるトマトを事例に、ゲノム編集技術を 活用した品種改良と安全性評価法を紹介するとともに、取り扱いルール策定の状況や知財への対応などについて紹介します。

第3回 講演会(共催)

■日時:2019年03月14日

■場所:仙台国際センター2F 会議室「萩」

  • 『登録検査機関が行う輸入食品等の自主検査の概要 ~先行サンプル検査を中心に~』

    (一財)日本食品分析センター 東京本部 業務二課 課長 吉川 淳

    食品等を輸入する場合には,輸入者が食品等の安全確保の観点から食品衛生法に適合して いるかを,時には登録検査機関の自主検査の結果として厚生労働省検疫所に示さなければなり ません。本講演では食品添加物,器具,容器包装及び乳幼児用おもちゃの輸入に有効な自主検 査の手法である先行サンプル検査(JFRL ニュース Vol.6 No.8 Apr. 2018)を中心にご紹介致します。

  • 『微生物の分類・同定の基礎知識』

    (一財)日本食品分析センター 多摩研究所 微生物研究課 課長 前川 幸子

    微生物検査は食品の衛生管理に重要な役割を担っています。微生物検査を正しく行うために はその検査手順を身につけることも重要ですが,微生物を理解し,知識を深めることも大切です。 本講演では微生物検査を行うにあたって知っておきたい微生物の分類・同定の基礎知識から, 日常の検査で取り入れることができる簡易的な同定手法についてご紹介致します。

第2回 講演会(共催)

■日時:2019年03月07日

■場所:アクロス福岡 国際会議場(4F)

  • 『コロニーの情報を食品微生物試験に活用する』

    (一財)日本食品分析センター 九州支所 微生物試験課課長 小田 俊一

    一般生菌数はコロニー数をカウントし,大腸菌群や黄色ブドウ球菌は対象菌の生育の有 無を確認するのが一般的な試験です。しかしながら,単に「数値」や「陰性」を確認する以外にも得られる情報は存在します。 本講演では一般生菌数や黄色ブドウ球菌等の試験で,寒天培地に生育したコロニーから得られる情報の活用の仕方について解説するとともに,黄色ブドウ球菌の微生物標準試験 法などに登場するベアード・パーカー寒天培地についてご紹介致します。微生物試験ご担 当者向けの内容です。試験室のレベルアップの一助になれば幸いです。

  • 『これからの食品衛生と食品安全文化』

    (一財)日本食品分析センター 東京本部 学術顧問 一色 賢司

    人間はミスを犯し,機械や装置も壊れます。食品の安全性を確保するシステムを構築しても,やがて不具合が生じます。順調であっても,軽微な不都合であっても,食中毒等の 深刻な事件への入り口である場合もあります。食品安全も食品衛生も,やはり人の関与が 大切です。諸行無常を乗り越えて,食品安全文化(Food Safety Culture)を醸成し,維持して行くことが必要です。

第1回 講演会(共催)

■日時:2019年02月28日

■場所:大阪産業創造館 4階イベントホール

  • 『ミネラルウォーターの異臭原因物質の究明について』

    (一財)日本食品分析センター 彩都研究所 試験研究部 分析化学課 横関俊昭

    異臭原因物質の中には,極微量しか含まれていないのにも関わらずヒトの鼻で検知できる閾値の低い 物質があり,このような異臭原因物質を明らかにするためには,抽出・検出方法を工夫する必要があります。本講演では,極微量の異臭原因物質を明らかにするためのアプローチの一端を,閾値がpptオーダーである,ミネラルウォーターの異臭原因物質を明らかにした事例を通じてご紹介いたします。

  • 『LC-MS/MS による化粧品中の17種ステロイドホルモンのスクリーニング法』

    (一財)日本食品分析センター 彩都研究所 微量試験部 動薬試験課 主任 板東誠治

    化粧品へのステロイドホルモンの配合は一部の成分を除いて禁止されていますが,過去には輸入化粧品等において,意図的に配合したと思われる禁止ステロイドホルモンの検出事例があります。そこで, その作用が比較的強いとされる17種のステロイドホルモンについて,LC-MS/MSを用い,それら成 分の有無を確認するスクリーニング試験を開発しましたのでご紹介いたします。

  • 『β-グルカン新規定量法の開発』

    (一財)日本食品分析センター 彩都研究所 研究開発部 機能科学研究チーム 主任 井出将博

    β-グルカン,特にβ-1,3-(1,4)グルカンやβ-1,3-(1,6)グルカン等と呼ばれる非セルロース性β-グルカンは,免疫賦活などの機能性が多数報告されており,近年の健康食品市場においても高い関心を 集めています。しかし,既存のβ-グルカン定量法は,限定されたマトリックスのみで適用可能な方 法ばかりで,加工食品の分析は困難です。今回,種々の加工食品中の非セルロース性β-グルカン定 量のための新たな方法を開発しましたので,ご紹介いたします。

  • 『AOAC法について』

    (一財)日本食品分析センター 東京本部 副理事 鈴木宏子(AOAC INTERNATIONAL JAPAN SECTION 次期会長)

    “AOAC 法で分析”というフレーズはどこかで耳に挟んだことはあるけれど、その実態についてご 存知無い方もおられると思います。本講演では、AOAC Internationalという組織が世界規模で信頼 を得ている理由や、その根幹となる所謂AOAC法(OMA; Official Methods of Analysis) の価値や その作成の最近の流れ(バリデーションの仕組み等)やグローバルな潮流について詳しくお話させて いただきます。又,日本からのOMAの入手方法などについてご説明させていただきます。